あわてない、驚かない、失敗しないための『転職成功術』

再就職は、ビジネスマンの必須科目になる。だからその準備をしておこう。

再就職支援会社がやっている、『再就職活動のあらましを理解する』講座、やります

14年、その仕事をやっていたので、ある程度の基本プログラムは知っているし、

経験などから、独自の工夫もしている。

多くの人が再就職や自分のキャリア、求人市場について誤解したり勘違いしたり、心配していることもある程度わかる。

 

再就職支援ビジネスは、

大企業の大量リストラ施策のなかにある、割増退職金などと並ぶ有料(企業にとって)のオプションとして位置づけられているから、そのサービスを受けられるのは大企業の社員がほとんどだ。

裏返して言えば、中小企業の社員や、非正規の方。もちろん、自己都合で退職を予定しているとか、すでに会社を辞めた方には、縁もゆかりもないサービスということになる。

だからあまり世の中に知られていないし、その性格からしてサービスを提供している側でも広報や宣伝などはほとんどしていない。営業が活動するのは、業績不振の業界で、サービスを利用する可能性がある企業の、人事、経営陣などごく一部の方に対してだけ。そこで、サービス紹介、コンサルなどを行っているのだ。

 

しかし、リストラという、比較的短期間で退職の決断をしなければならないようなタイプのリストラは山場を越えたにしても、社内リストラとか、肝心の自分がそう感じる個人の『思い込み、主観的リストラ』は、まだ続いているし、実はもっと大きく広がるのではないかと思っている。

これの追い風になっているのは、IT&OA化だったり、グローバル化による海外からの人材の流入だったり、人間の高齢化・寿命の伸びだったりする。

普通に考えても、仕事をより合理化効率化するために、いろいろな技術が開発され導入されているのだから、人が機械に変わるスピードは加速するだろう。だから会社に常時所属する、いわゆる正社員のような人は少なくなるはずだ。すでに工場では、数名で動かしている大工場というのがいくつもある。効率化が遅れている、生産性が低いという評価がされているホワイトカラー領域でも、それは一層加速している。

そしてそれによって人間がすべき仕事や作業は変質するから、それに適応したり、追いつけなくなった社員は必然的に居場所がなくなる。おそらくそれは、好奇心や記憶力や体力などが衰え始めるミドル世代以降の世代になるだろう。

 

非正規雇用が全体の4割を超えた。

派遣ビジネスは拡大し、人材紹介会社はますます若手の優秀な人材にむけてサービスをシフトしている。また組織内でも役職定年は定着したし、人材流動化という名目で大企業から成長企業(=中小企業)への雇用調整は政府の指針にもなっている。ワンワーク・ワンペイという、仕事が同じなら、雇用形態に関係なく賃金は同じにすべきだ、という議論にしても、明確に仕事の境界線を引くことは難しいだろうが、低い賃金に合わせていくのが普通だろう。それが、合理化・効率化であり、企業はそれを追求する組織なのだから。そしてすでに先頭を切って合理化やインフラが整備している大手企業では、それに能力的にも賃金的にもマッチしない層は、活躍できる場が用意できないので、まだ未整備でいろいろなことをやらなくてはならない中小企業で、汗を流して働きなさい、ということになるだろう。

 

こういう実際に起きている社会現象の中で、『自分は大丈夫』と言える人が、どの程度いるのだろう。

素晴らしく能力が高い、逆にそういうことを考えることから逃避する、あるいはそウいうことすらも感じない、自分には関係ないという考えの持ち主を除けば、もうそれほど存在しないのではないか、というのが普通だ。数年前の『WORK SHIFT』に続いて、『LIFE SHIFT』という、これからの長い人生をいかに生き残るか、あるいは生き生きと生き抜くか、といった本がベストセラーになっていることからも関心は低くはないだろう。5割、6割はそういった不安なり予測なりをしている人は存在するのではないか?

もちろん、これらは、明日からとか数週間という短期の話ではない。しかし、歳をとるにつて時間の経過は早く感じるようになる。これを加味して考えれば、数年先は、『すぐの話』に位置付けていいかもしれない。

企業もしごともパッと変わることは少ない。しかし、これからはその可能性はある。昔の広告のキャッチコピーに、『時代なんて、ぱっと変わる』という名作があったが、それもありだ。賛成反対入り乱れているが、2040年頃に予測されているシンギュラリティなどがそうだ。これはAIが人間の仕事を劇的に代行できるようになる大転換期の出現を予言している。

 

だから、大災害に備えて水や食料を備えるのよりは、もう少し可能性が高いリスク対策として、自分のキャリアや生き方をよく考えて、この先の自分のあり方や環境の変化を予測したりシミュレーションしたりしておくのも無駄ではないと思うのだ。

 

再就職支援サービスという特殊なサービスを、コモデティに。

再就職支援サービスは、不景気になると必要性が高まり、好景気になると影をひそめるという、ビジネスの成長自体があまりありがたくない、『縁起でもない』ものだ。だからと言ってそのサービスの必要性が、ビジネス規模と同じように大きくなったり小さくなったりするようなものではなく、いままで述べたように、ますます必要性が出てくるものだと思っている。もちろん、その内容はどんどん変わっていくだろう。

しかし変わるのはそうしたサービスプログラムだけではなく、それを利用する個人も同じように変わる。変わらなくてはならないし、嫌でも変わることを余儀なくされるだろう。

いまわれわれが提供してきた再就職支援サービスは、『いままで』と、『いま』に焦点を当てプログラムを集中してきたように思う。キャリアという言葉自体が『馬車の轍(わだち)』が語源だから、それは当然だ。しかし、人間って、目標・目的がないと、なかなか行動が定まらない。だから無駄もおおくなる。それに、締め切りという時間の区切りがないと、To Doリストの上位には置かないから、いつも下の方に記された『いつかはやりたい、やるべき』ことは、ずーっと、そのままそこに残されたままだ。もっともリストに載らないよりは、はるかにいいが。

われわれが考えるのは、いままでの自分を振り返り、そしていまの自分の気持ちや希望や社会的な価値を考えるのは当然必要だが、今日、そして明日といったこれからの道しるべを、ある程度はっきりさせていくことがなければ、自分を変えられないのではないか?変える必要がそもそもあるのか?という質問があるかもしれないが、それは言葉の綾で、変わるも何も明日からの自分は、最初から今日の自分とは変わっていくものだから、嫌でも変わるのだ。そしてその変わり方を、成り行きだけで受け止めるのか。それともある程度、いまの自分が希望する方向へ多少なりとも働きかけるのか、の違いだ。この違いは大きいと思う。初めて歩く道や夜道は、とても長く感じたり不安があるが、一度そこを通過していれば、当たり前の時間と距離でしか感じられないということがある。それならゆったりとした気分で、風景などを楽しみながら、あるいはいろいろな思いを巡らしながらゆったりと歩くことができるだろう。人生の場合は、簡単に言えばシミュレーション、予測をしておけば、その場になってバタバタとすることはない。その瞬間に考えるにはとても時間が短すぎるが、前もって考える時間を持っておけば、十分なものが確保できるのだ。

いままでも、そういうスタンスに気がつき、自分の先々のことを真剣に考え始めた人は数多いし、逆にいままでの自分というものが虚構の中の存在にすぎなかったとを知り、愕然とした人もいる。それが鈍いとか愚かというのではなく、そういう中に住んできたことを知ったことだけでも意義がある。その時期が、いまか、さきだったかくらいの違いだ。

 

最終支援サービスは、早期退職者向けのオプションで、個人に負担はかからないが、企業が負担しているという意味で有料だ。90年代は、上位管理職者だったり数が少なかったり、社会的にも再就職の社会インフラも揃っていなかったりで、一人当たり200万円くらいのこすとを企業が負担していた。恐らくいまは60万円を切っていると思われる。1/3位に下がったといってもやはり大金である。

そのサービスを、設備やテキストナオのコストを省いて、提供しようと思う。

しかしこれは再就職を成功させるためのノウハウだけではない。

なぜ働いているのか、働くのか。本当にそれが自分の楽しいものなのか、やりがいを感じているものなのか、といった、ちょっと心を打つようなテーマを混ぜて、考えてみようという試みでもある。

それに賛同いただけるのであれば、聴講生、オブザーバーとして喜んで迎えたい。

 

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