自己理解と現実調整
転職活動を考えるときに必ずアドバイスを受けるのは、まず自分のキャリアの棚卸しをした方がいい、ということだ。
これなどはカウンセリングの場面で実際に何度もクライエントに言ってきたことだ。自分で経験してきたことだから、自分が一番よく知っている。これは間違いない。自分で思い出さなければ、誰もわからないのだから、当然だ。ただそれを一人でまとめることができるか、というとそれはかなり難しい。記憶というのは自分の理屈というか基準で記録され、正確さやロジカルさほど備えてはいない。だから他人にそれを正確に伝えるには不十分ということが多い。
そこで頼りになるのがカウンセラーある。
第三者からのアドバイスは、耳に痛い部分もあるが、それをアドバイスと捉えることができれば、実際の目標を立てたり応募活動をする上で実に役に立つ。実践的な予行演習になるからだ。これが実際に自分だけで、キャリアをまとめ、応募を続けて、それがうまくいけば効率もいいし、時間もかからないが、うまくいかない場合の反省は独りよがりということに尽きる。
第三者の目に晒されないキャリアこそ、裸の王様のようなものだからだ。
PDSとかPCDAを回すというのは、実は再就職活動にも当てはまるのだ。
自分で立てた仮説は、まず一眼に晒し、思い込みや確信が適正かどうかを確認する。その上で修正したものが初めてプランになるのだ。
現実調整とはまさにそうした行為を伴う。それを避けると本番で大きな失敗につながるリスクを覚悟しなければならないだろう。